【さんじゅうまる】優宇

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「実はね、シマウマさんとわたしのいた星は争いばっかりなんだ。ずっとずっと昔からずっとずっと続いてるの。それを終わらせる方法を学びにこの星にきたんだ。動物や人間のことを勉強してるんだよ」  おそるおそる様子を窺うと、美帆と聡子が無言で目を見合わせている。もしかしたら、侵略者だと勘違いされてしまっただろうか。どうフォローしようかと考えあぐねていると、課長が突然両腕を開いた。 「ようこそ、地球へ。そして日本へ!」  わたしだけではなく、美帆と聡子までぽかんとしている。 「いいときにこの星に来たね。人間たちの変化を目の当たりにできるかもしれない。令和には『人々が美しく心を寄せ合うなかで、文化が生まれ育つ』という意味があるんだよ」
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