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…とは言え
先ずはネタを集めないと戦えないな
「おはようございます」
…この声
オフィスに響く力強く綺麗な声
……一瞬で誰だかわかってしまう
「おはよう。菜穂」
私の、親友ーー
「おはよう佳純…」
私は立ち上がり菜穂の元に行き、菜穂に言う
「菜穂、今日のお昼一緒に食べれないかな?」
「えっ…うん!もちろんだよ!」
喜ぶ菜穂の表情に、私も満面の笑みで返した
今までごめんね菜穂
私は菜穂が好き
私の事を好きでいてくれる菜穂が、大好きだよ
菜穂は私の物語のヒロインなんだ
だから
近くにいてもらわないとダメなんだよね…ーーー
「おはよう花井さん」
「あ、おはようございます」
デスクに座ると、隣の席の岡本さんが話しかけてきた
「昨日は大変だったわね」
「いえ、全然大丈夫ですよ」
「課長も人が悪いわよね。あの課長八方美人だからいつも最後にはああやって誰かに皺寄せがくるのよ…多分本人に悪気はないんだろうけど」
その皺寄せが私というわけか…
そういえば……私が入社して間もない頃にも思い当たるフシがある
ーーー飲み会の幹事を任されていた私は、課長に薦められた居酒屋さんに予約の電話を入れた
だけど私がそのお店の話を皆に話した時、その店があまり評判が良くない店だと、何故クチコミをもっと見ないのかと皆から責められた
私はそういうのを誰かのせいにしたくないし、素直に謝ったけどキャンセルはしなかった
結果として……その店は飲み放題の癖に全然飲み物が出てこなくて飲み会の雰囲気はとても悪くなった
幸いその場で私を責める人はいなかったけど…
後から聞いた話によると、課長が店の文句を散々言っていたらしい
その中で暗に私が悪いと、そういう風に話していたと先輩に聞かされた
あの時は別に気にも留めなかったけど
今思えば
この時から私は課長にとってただの【切り捨てられる駒】だったんだな
「…岡本さん。課長の事詳しいんですか?」
岡本さんはゴシップが大好きな人だ
何か一つでも秘密を握ってるかもしれない
「別に詳しくはないわよぉ。皆が知ってる事くらいしか知らないわぁ」
口元を緩ませながらそう話す岡本さんは、ゴシップが言いたくてたまらない顔をしていた」
「えー、何ですか??」
私も興味津々な笑顔で尋ねる
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