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ーーー
ーーー「実は私ね…昨日翔介さんとしちゃったんだ」
かつての行きつけのカフェで
少し恥ずかしがりながらそう話す親友に、私は嬉しさと寂しさが共存していた
だけど
不思議と驚きは無かった。佳純はあの人になら全てを委ねるのだろうと思っていたから…
思えば…佳純とこうやって面と向かって話すのもどれだけぶりだろうか
正直最近の佳純の変化に、私は戸惑いを隠せないでいた
それら全てはあの人に関係しているのは容易に想像が出来た
初めての恋、そして初めて出来た彼氏に、多分思考がまだ感情に追いついてないのだと思っていた
でもこうして私にそう打ち明けてくれるということは
彼女の中で一つのターニングポイントを迎えたのだと思っても良いのだろうか
だから私は心の底からそれを祝福する
「そっか…とうとう初体験済ましちゃったんだ!で…どうだった!?」
暫く話せなかったぎこちなさを取り除く為に、あえて野暮な質問を投げかけた
「うん…翔介さん凄く優しくて…初めてが翔介さんで良かったって思ってる…」
「痛くなかった?」
「めちゃくちゃ痛かったけど…今はだいぶマシになったかな」
「そうかぁ、佳純も遂に大人になっちゃったんだね…」
「今まで…菜穂につまらない嫉妬ばかりして八つ当たりしてきてごめんね…」
その言葉に私は思わず泣きそうになった
ずっとこうして話したくて、佳純に笑ってほしくて…我慢してたから…
「佳純…私…佳純が私を嫌いになったと思ってたからーー本当に辛かったんだよ…元はと言えばあの日余計な気を回して鳥谷さんに会わせようとした私が悪いんだけど…それでも私佳純の事…」
「わかってる。私もあの時怒っちゃったりしてごめん。余裕が無さすぎたよね…これからは菜穂には隠さずに全部話すから菜穂も私に気を遣って隠れて行動したりしないでね?」
「うん…これからはちゃんと直接佳純に言うし隠し事もしないよ…ごめんね」
「これからもよろしくね?」
「うんっ!!よろしく!!」
やっと…私達のわだかまりが溶けてなくなったんだねーー
佳純は、多分私の人生を左右する力を持っている
佳純がそばにいてくれるならーー私はきっと今よりも強く、明るくなれるよ…
だからもう離れないでね…佳純…ーー
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