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ーーー
「これからもよろしくね？」
真っ直ぐに私の目を見てこんなにも想いを投げ掛けてくれる親友に、心の底から感謝している
「うんっ！！よろしく！！」
微笑みながら美味しそうにハンバーグを頬張る姿は、まるで子供みたいだった
私はそんな可愛らしい菜穂が大好きなんだ
気丈に振る舞い、凛として立つ菜穂より
全ての弱みを曝け出し私に縋ってくれる菜穂がいいんだ
数ヶ月前に私の家に泊まりに来ていた時の菜穂を思い出す
あの日菜穂の唇は、ストーカーによる恐怖で微かに震えてた…
その時に私は…他の誰でも無い私が、彼女を守らなければと思った
本当にそう思ったんだよ…
だからもう一度、菜穂には変わってもらうね
私達は…等しくならなければいけないから
同じような弱さを以って、バランスを保たなくちゃいけない
「あー美味しかった！久しぶりに食べると本当美味しいねここ」
「ね！他所のハンバーグ食べれなくなっちゃうね」
「ほんとほんと、あ！ちょっとお手洗い行って来るね？」
「はーい」
トイレに向かう菜穂の後ろ姿を見送り、私は菜穂のバッグの中からリップクリームを盗み出した
ストーカーがまた現れたと思ったら…菜穂はまた不安に苛まれ続けるだろう
だけど今度はその終着にいる犯人は私だ
だから…私は思いついたんだ
終着に辿り着く時
その全部を
翔介さんのせいにしちゃえばいいんだ
そしたら全て丸く収まる
在るべきものが、在るべき場所に帰るだけ
ソレを壊す権利は私だけが持っている
菜穂、翔介さん
二人をその淵から救い出すよ
だから安心して
絶望していいよ…ーーー
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