天罰

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ランチタイムも終わり、私達はオフィスに戻り昼の業務に取り掛かる 昼からも岡本さんはまだまだ色んな人のゴシップをストックしてますと言わんばかりに私に話を切り出してくる でも今の私には課長の事以外はさして興味がないので適当に聞き流していた その話を他所に、仕事中にも関わらず私は翔介さんに一報を入れた 「今日残業で少し遅くなりそう!ごめん」 本当は早く会いたくてたまらないけど 仕事があるから仕方ない 仕事というより、使命か… 「わかった。無理しないでね!身体はもう大丈夫かな?」 文面から翔介さんの優しさが伝わってくる 私はもしかしたら、凄く幸せな人間なのかもしれない でもこの幸福は、薄氷を踏み込むように 容易く脆く崩れ去るかもしれないんだ 「朝よりだいぶ良くなったよ!ありがとう」 たとえどれだけ幸福感を味わったとしても もうどうしようもない 私の中で何かが蠢いている 壊せと、奪えと どす黒い感情だけが増幅していくんだーー ーーー 日も沈み始めた頃、夕刻のオフィス街では帰路につく人々がぞろぞろと足並みを揃え駅へと向かっていく その中の一人だった彼女は、前から突然声をかけられその歩みを止められた 「こんばんは」 見知らぬ人間からの突然の挨拶に、怪訝な顔で彼女は返した 「…誰ですか?」 その言葉には、強い警戒心が籠っていた 「いきなりすみません、私…あなたと同じ会社で働く企画部の花井といいます」 企画部と聞いて何かを察したのか、彼女は話を聞く姿勢になり睨みつけた 「あなたに話があってきたんです。平井咲子さん」
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