215人が本棚に入れています
本棚に追加
/549ページ
ーーーー
ーーーーー
ーーーーーー
彼女の寝息がするのを確認すると
僕は彼女を起こさないよう、ゆっくりと寝室を出る
そして吸い込まれるように廊下を抜け
真っ黒な扉の部屋へと入った
部屋の真ん中にある椅子に座して、両手を口元に当て思い耽る
…………
………
人からすれば悍しいその光景を前に
僕は自分の中でまた新しい変化が兆しているのがわかった
写真の中で笑う彼女は、とても綺麗で
とても寂しげで
光に満ちていたーーー
「…いつか終わりが来るのかな」
ふと口からこぼれたその言葉が
どちらの意味になるのか
彼女と、そして彼女にとって
どんな結末になるのか
僕には何一つ予見できない
だから今はただ
この部屋で
留まり続けるしかない
この想いに終わりが訪れるまでーーー
最初のコメントを投稿しよう!