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ーー翌朝
またも翔介さんに朝ご飯を作らせてしまった私はのうのうと仕事に行く準備を進めている
「…ほんとにありがとう」
「いいよ。夜ご飯任せっきりだったし、朝くらい作らせてよ」
もう…優しすぎるよ…
「今日も頑張ろうね。お互い」
「うんっ!行ってきます!」
昨日と同じく翔介さんに見送られながら私は彼の家を出る
ーーー
「おはようさん」
「あ!おはようございます!」
出社すると、既に臨戦態勢万全な月島さんがそこにいた
「昨日は休んで悪かったな」
「いえ…それより…色々ありがとうございました」
まだお礼を言えてなかった私は深々と頭を下げた
「やめろよ。俺の力不足のせいで…お前に迷惑かけちまったんだ。謝るのはこっちだっての」
月島さんは居直り、私よりも深く頭を下げていた
「本当にすまなかった。許してくれ」
「何言ってるんですか!やめて下さい!」
「俺の気が済まねえんだよ」
「私は、月島さんには感謝してもしきれませんよ。自分がこんなに頑張れるんだって気付かせてもらえたんですから!だから謝る必要はありません!」
「花井…」
「もう今回の事はスッパリ忘れます!月島さんも忘れて下さい!」
「忘れろったってなぁ…あのクソ課長の事は簡単には許せねえわ」
「大丈夫ですよ。課長みたいな人には、そのうち天罰が下りますから」
「天罰、ねえ…まぁ、あのおっさん色々やってるみてえだしな」
…月島さんも知ってるみたいだな。課長の不倫の事
まあ当たり前か
「ま、とりあえず今回の開発展は風見にやってもらうが…次は花井に任せるつもりだからよ。例えあのおっさんがダメって言っても」
正直もうどうでもいいんだけどな…そんな事
「ありがとうございます」
「おはよう」
間を見計らったかのように、笑顔で課長がオフィスに入ってきた
そのまま課長は私と月島さんの元へと向かって来る
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