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少しして私も更衣室を出てオフィスへと戻った
「月島さん…どうでした?」
月島さんは既に戻っていたようで、気になった私はすぐに尋ねた
「…ああ。まあ、いつもの感じだな。お得意の御機嫌伺いってのか」
「ちゃんと謝ってくれました?」
「一応はな。花井には謝ったか?あのジジイ」
「まあ、一応は」
「…ったくよ」
月島さんの手が私の肩に優しく乗せられ、真っ直ぐに言い放った
「…俺があいつの力が及ばないくらいの地位に立ったら、お前に不自由はさせねえからよ。それまで待っててくれるか?」
…ーーこの人は、確固たる未来を見据えているんだ
それは多分そんなに遠くはないだろう…
だけど…
それまで課長が課長で居続けるかはわかりませんよ
「お願いしますね。月島さん」
「…おお」
だからその為に…私は私で出来る事をやりますよ月島さん
「課長、今いいですか?」
「ん?ああ、大丈夫だが…どうしたんだ?」
「今日ってお昼持って来てます?」
「え?」
何を言ってるんだ?といった顔で私の顔を見る課長
「いや…持って来てないが」
「少しお話があるので良かったらお昼外に一緒に出ませんか?」
「きゅ、急だな……何だか嫌な話するんじゃないだろうな…?」
「どうでしょう?大丈夫です。辞めたいとかじゃありませんから」
笑いながらそう告げる私に課長は引き攣った笑顔で返事をしていた
「…はぁーっ…頼むから心臓に悪い話はやめてくれよ…ちょっと最近血圧高すぎてヤバいんだよ」
知りませんよそんな事
「気を付けて下さいね。ではまたお昼に」
他の人の目が一斉にこちらに向いているが、私は気にせず自分のデスクに戻って行った
「花井…おまっ、どうしたんだ?」
当たり前だけど、月島さんも心配そうに私をみていた
「ちょっとプライベートな話がありまして」
「お前に限ってまさかとは思うが…復讐とかじゃねえよな?」
「…まさか。そんなことしませんよ」
復讐なんかじゃない
課長が堕ちるのは、天罰ですからーー
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