215人が本棚に入れています
本棚に追加
/549ページ
「美味しかったです。ご馳走様でした!」
「それは良かった。しかしあれだな、花井と二人で食事なんて初めてだが結構喋るんだな。いつも静かなイメージだったから」
確かに…
今まで菜穂の隣で鳴りを潜めてた私を見ていた課長からすれば、想像もつかなかっただろうな…
私ですら、驚いています
でもね課長
私を変えてくれたのは
他でもない貴方なんですよ
「私ももっと元気を出さなきゃと思いまして!風見さんみたいに!」
「ハハ、まだ根に持ってるのか…勘弁してくれよ」
勘弁しません
「いえ、考えてみれば私より風見さんが選ばれるのは当然ですから!社運が懸かってるって課長も言ってましたが、その通りですし」
「分かってくれて嬉しいよ。私も色々大変なんだよ…」
ええ。そりゃ不倫は大変でしょうね
「午後からも頑張ります!」
「おう!頑張ってくれ!」
課長と二人オフィスに戻ると、丁度入り口のところで菜穂と月島さんに出くわした
二人の顔を見て少し気まずそうな顔をしながら課長はそのまま自分のデスクへと向かう
「二人で出てたんだ」
私は二人に尋ねた
「うん。佳純が課長とご飯行くって訊いてたまたま暇そうな月島さん引っ張り出したの」
「暇そうって言うな。で、何話したんだよ?」
「プライベートの話なんで内緒です」
「プライベートな話なんか課長とする事あるの?」
「たまたまあったの。後お蕎麦奢ってもらったしね」
「お詫びってわけか」
「まあそんなとこですかね。さっ、仕事しましょう!」
自分のデスクに戻ろうとした私の後ろから、月島さんの指がコツンと当てられる
「あんな奴と二人で飯行かれたら気分わりいんだよ」
月島さんは菜穂に聞こえないくらい小さな声でそう呟いた
「嫉妬ですか?」
臆面も無く、私はそう返した
「…まあ、そんなとこだ」
少し顔を赤らめ、月島さんは私から離れて行った
なんか…今のやりとり…カップルみたいだったな
変な感じ…
最初のコメントを投稿しよう!