3/20

215人が本棚に入れています
本棚に追加
/549ページ
「勉さん」 「ん?何?」 「私と奥さんどっちが好き?」 「君に決まってるじゃないか。妻とはもう冷めきっているんだから」 言ってはいけないと思いつつも、私は彼に問い質す 「奥さんと別れる気はあるの?」 勉さんの顔をジッと見て、私は答えを待つ 「……あるよ!まだ明確には言えないが、妻とはもうそういう話がついている」 「じゃあ私…待っててもいいの?」 「…も、勿論だよ。もし妻と別れたら…君と一緒になりたい」 良かった。やっぱり彼は私の事を想ってくれている その答えを聞いてやっと安心する事が出来た…どうやら花井さんの考えは外れていたみたいね これ以上は深く追及せずに彼に任せて待つ事にしよう それが私達にとって最良の選択 私はこの関係を無様に崩したりしない 脆く、今にも壊れそうなのは承知しているわ 例えるなら、幾重に重なる積み木の塔のような関係 それを子供のように無造作に手を加えるなんて真似はしないわ 7年も待ったんだもの…今更少しくらい待とうが変わりはしないわ 最後に貴方の一番になれるならーー
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加