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「勉さん」
「ん?何?」
「私と奥さんどっちが好き?」
「君に決まってるじゃないか。妻とはもう冷めきっているんだから」
言ってはいけないと思いつつも、私は彼に問い質す
「奥さんと別れる気はあるの?」
勉さんの顔をジッと見て、私は答えを待つ
「……あるよ!まだ明確には言えないが、妻とはもうそういう話がついている」
「じゃあ私…待っててもいいの?」
「…も、勿論だよ。もし妻と別れたら…君と一緒になりたい」
良かった。やっぱり彼は私の事を想ってくれている
その答えを聞いてやっと安心する事が出来た…どうやら花井さんの考えは外れていたみたいね
これ以上は深く追及せずに彼に任せて待つ事にしよう
それが私達にとって最良の選択
私はこの関係を無様に崩したりしない
脆く、今にも壊れそうなのは承知しているわ
例えるなら、幾重に重なる積み木の塔のような関係
それを子供のように無造作に手を加えるなんて真似はしないわ
7年も待ったんだもの…今更少しくらい待とうが変わりはしないわ
最後に貴方の一番になれるならーー
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