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「おう。久しぶりに三人で飯行かねえか?」
割って入ってきたのは月島さんだった
「私はいいですよ。佳純は?」
「行きましょうか」
「んじゃあ然でいいか?」
「あ、今日はちょっと蕎麦って気分じゃ…ごめんなさい」
「ええ!?美味えのによー」
「なんか洋食な気分なんです!」
然は…課長と行ってたからその記憶がどうしても蘇ってしまう
そんな記憶思い出したくもない…
「んじゃパスタ屋にするか」
「ですね」
ーーーー
「しかしあれだな。課長の事はムカついてたが…気の毒だったな」
「…仕方ないですよ。横領本当にやってたんでしょ?しかもそれだけじゃないですしね。課長の場合」
「まあ色々と問題はあったみたいだな……新しい課長は問題も無さそうだしやりやすそうだし、結構いい方向に転がるかもな」
「…佳純は正直、課長居なくなって寂しい?最近仲良かったみたいだし…」
「…そうだね。やっぱり悲しいかな…でも、落ち着いたらまた食事に誘ってみるよ」
「経理部のあの人…平井さん?だっけ?辞めちゃったらしいね」
「うん。平井さんにもまた連絡してみるね」
「課長ももしかしたら今回の事を機に彼女との関係を断つかもしれないね」
「そうかもね…」
そんな殊勝な人ではないと思うけどーーー
「話変わるんだけど、いいか?」
月島さんが真面目な顔付きで切り出した
「はい」
「どうぞ」
「開発展の件なんだがよ…課長が変わったんならもう一回花井が出来ないか申請してみようかと思うんだが…風見が頑張ってるのも知ってるから、風見の意見を聞かないとと思ってよ」
「私は全然大丈夫ですよ!元々は佳純の仕事でしたし、寧ろ休日出勤しなくて済むならラッキーですし」
「そか…わりいな。どうだ花井」
「え…いや…大丈夫です」
「え!?」
「それはどっちの意味の大丈夫?」
「菜穂に任せてもいいかな?」
「え…本当にいいの?」
「うん。もうあまり日もないし、商品の事も全部忘れちゃったしね」
今更全くやる気にならない
しかも土曜日は翔介さんとどこかに行くかもしれないし、そっちの方が重要だし
「じゃあ…私がやるね。ごめん」
「ごめんね…休日出勤になっちゃうけど…」
「んーん、気にしないでよ。休日出勤は嫌だけど何かする事あるわけじゃないから」
菜穂はそう言って笑いを誘った
やっぱり菜穂は良い子だな
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