加速

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ーーー翌日 社内は菜穂が事故に遭ったという話題で持ちきりだった 会社に着くなり皆私に菜穂の様子を訊いてくる どうせ皆興味本位なんだろうな 「…大丈夫だったんだな?とりあえずは」 背後から、神妙な顔付きで月島さんがそう言った 「命に別状は無いようです。今日また病院に行ってきます」 「そうか…俺も行くわ」 「…え?…わかりました」 「今日定時で上がって一緒に行こうぜ」 「はい」 「後…こないだの話なんだが」 「こないだ?」 何の話だろう… 「開発展の話だ。多分風見の復帰は難しいだろ…結局花井に任せようと思ってんだが…」 そっか。すっかり忘れていた 菜穂が出れないから代わりに誰かが出ないといけないのか 今となってはどうでもいいけど、菜穂が負い目を感じてしまうし…仕方ないか 「私出ます。もう一度資料読み直して勉強しますので」 「助かる。んじゃ任せたぜ」 不思議なもので… 物事は執着している時は残酷なまでに離れていくのに、心から離れた時にすんなりと手の中に戻ってくる だとするなら 私は決して翔介さんの心を手に入れる事は出来ない 永遠に 私の心から貴方が離れる日など…きっと来ないから
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