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え?今、ブスって言われた?
ていうか変わりすぎでしょ…
二重人格?
「でもあれだよなぁー、初めて見たときはびびったよ。翔兄ってブス専だったんだなぁ」
「麟君…翔介さんの前では猫被ってたの?」
「その方がやりやすいからな。翔兄は俺の事良い子だと思ってるから疑う事すらしねえし」
「麟君、本当に翔介さんの弟なの?何でそんなに性格歪んでるの?」
「わかってねえなぁ…三人の中じゃ俺が一番まともだよ。俺から言わせりゃ翔兄や竣兄の方が遥かに歪んでるね」
「…翔介さんは歪んでない」
少なくとも人間性に於いてはこの子とは天と地の差がある
まあお兄さんは歪みまくりだけど
「まあそれはどうでもいいや。俺が今日来たのは、あんたに話があったからだ」
麟君は壁際に座り込み私を見上げながら話を続けた
「…何?」
「俺は人を見る目には長けてるんだよね。だからわかるんだよ…
あんたは俺と同じ人種だ」
「……私と麟君が同じ?何言ってるの?」
「表面的にはヘラヘラ笑いながらやり過ごしてても、実際はどす黒い何かをずっと抱えながら本性を隠して生きてるところだよ」
全てを見透かすように、彼はそう言った
そしてそれは完全に的を得ている
確かに私にはどす黒い何かがあり、それを誰にも悟られないよう静かに生きている
だけどそれは人間なら誰しもが持ちうるものであって、私だけが特別なわけではない
肯定も否定もする気は起きなかった私は、押し黙って彼の言葉を待った
「だから俺はあんたに協力してやろうと思ったんだ」
「協力…?」
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