加速

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ーーー 「「ガシャーン!!」」 薄明かりが灯るだだっ広い部屋の中 巨大なスタンドライトが倒され、辺り一面に粉々になった破片が散らばる 息を荒げ彼女はその勢いのまま近くにあった花瓶をガラス棚へ投げつけた 「「バシャアアアンッ!!」」 またもけたたましい音を炸裂させ、部屋は見事にぐちゃぐちゃに荒れた状態だった 「…はぁっ、はぁっ!! 花井…佳純ぃ…!!」 あんな下民が! この私に… 完全無欠人間国宝の彩様に… あんな、あんな矮小な愚民が! 歯向かってくるなんて!! あの反抗的な目 思い出しただけでイライラが止まらない!! ……そうだ 思い付いたかのように受話器を取り、彼女は一本の電話をかけ始める 「……もしもし、私です 少しお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」 待っていなさい、花井佳純 私を敵に回したこと 絶対に後悔させてやるわ……!!
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