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ーーー
「と、いうわけで今日からまた風見さんが復帰することになった。まだ病み上がりなので皆さんあまり無理はさせないようにしてやって下さい」
昼礼になると言ってた通り菜穂が来た
課長の横に立ち挨拶を促されてる菜穂は俺の想像していたよりも元気そうだった
「皆さん長い間ご迷惑おかけしてすみませんでした!本当は朝から来たかったのですが病院で診断してからという事でしたので午後からになっちゃいました。休んだ分これから取り返していきますんでまたよろしくお願いします!」
深々と頭を下げる菜穂に拍手が送られる
仕方ねえなぁ、俺も後で一言なんか言ってやらねえとな。あいつもちょっとぎこちなさあるだろうし
やれやれ、先輩って大変だよな
まあこれも仕事の内だし文句は言わねえけど
出来る上司は部下のケアを怠らねえしな
ーーそして昼礼が終わり、その瞬間に俺は菜穂の元へ行き声を掛けてやろうとした
すると
「初めまして風見さん。私、現在こちらで共にお仕事させてもらってる春宮といいます。今後ともよろしくお願いします」
「あ、初めまして…新入社員の方ですか?」
俺より先に彩ちゃんが菜穂に声を掛けた
「今うちと酒造メーカーの清彩蔵さんが提携してコラボ商品作ってんだよ。春宮さんがその企画担当で来てる」
更にその横から月島さんが割って入った
くそっ!行きにくくなっちまった!
「あの清彩蔵と!?凄い!改めまして風見菜穂といいます。まだまだ未熟者ですけどよろしくお願いします!」
「いえ、花井さんに色々伺っていたのですが聞いていた通りとても綺麗で聡明そうな方で驚いています」
「か…花井さんに何を聞いたんですか?!」
「色々です。余程風見さんの事を想っているのがわかりますね」
「…本当にいい子なんですよ」
「ふふふ、仲がよろしいんですね」
「はい!」
「私もここに来てから花井さんにはとてもお世話になっています。風見さんさえもし良ければ、お二人の輪の中に入れていただければと思っています」
「大歓迎ですよ!色々話聞かせてください!」
「ふふ、嬉しいです」
…ほんっと女の仲がいいアピールって嘘臭えよな
女って群れたいだけなんだよな結局
大体…真っ先に菜穂のとこに行くかと思ってた佳純のやつが自分のデスクに座ったままじゃん
まあ佳純は元々引っ込み思案だし菜穂が皆に囲まれてたら声掛けれねえんだな
後で俺が背中押してやるか
はぁ、どいつもこいつも手がかかるぜ
…月島さんがいないとき見計らわねえとな
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