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「佳純ちゃんさあ。あんま男舐め無い方がいいよ?温厚な俺も流石に怒っちゃうかもなぁ」 あんま舐められるのも癪だしちょっとカマしとくか 「わかりました。とりあえず月島さんに言いますね。月島さんがいない隙に貴方が私に擦り寄ってきたって」 「ハァ!?だっ!誰がお前みたいなブス!!」 …あっ、やべえ ついでかい声で言っちまった… 俺の声が聞こえたのか、佳純の隣の岡本さんが尋ねてきた 「どしたの佐伯君…何かあったの?」 「あ…いや」 「気にしないで下さい。何もありませんから」 先に佳純の奴がそう返事した 「…わりい、ついでかい声出ちゃってよ…」 「気にしてませんから早く仕事に戻って下さい。課長こっち見てますよ?」 その言葉に仕方なく俺も引きさがり渋々自分のデスクに戻る 戻る途中も何人かの視線が俺に突き刺さっているのがわかった ジロジロ見んじゃねえよクソども!! あークソっ…! 俺をコケにした上に恥かかせやがって… 月島さんに気に入られてるからって調子に乗ってんなよ。関係ねえんだよ俺には 先輩の俺にはいくらでもやりようがあるんだよ!てめえみたいな奴すぐにこの会社からいなくすることだってーー 「佐伯さんですよね?」 「えっ!?」 デスクに戻った俺の元へやってきたのは、まさかの彩ちゃんだった 「どど、どしたんですか!?」 やべっ、つい吃っちまった… 「いえ、先ほど花井さんと何やら口論していたようでしたので何かあったのかと思いまして」 「…え、ああ。さっきのね…なんか佳純ちゃん機嫌悪くてさ、仕事の話しただけで話しかけるなって言われちゃって…それでつい興奮して怒鳴っちゃったんだよね」 「それは酷いですね…私は、佐伯さんのように善意で話し掛けてくれる方は貴重だと思いますが…それを無下にするのは宜しくないですよね。いくら機嫌が悪かったとしても」 「さ…春宮さん、わかってくれるんすね…!いやぁやっぱり春宮さんみたいな人には理解されるんだなぁ…あ!あの!よかったら今夜飲みに行きませんか!?俺奢りますんで!」 「ふふ、そうですねぇ…ではよろしくお願いします」 え!?マジ…? これ…もしかして脈アリ!? 彩ちゃん…俺に気があんのか?? やべ、俺今日彼女出来るかも… よし!ムカつく佳純の事は今はもう忘れよう 俺は今日、彩ちゃんを口説き落とす!!
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