排除

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俺は知ってるんだぜえ 佳純の奴は自分のデスクの引き出しの鍵を自分がいる時はこの小物入れの中に入れてるんだ 昼飯ん時とかなら持ってくだろうが、一瞬席を外す時くらいなら大丈夫だと思ってんだろーなー甘い甘い くっくく…ズボラな性格してっからこんな風に物を無くしちゃうんだぜー佳純ちゃん? 「あったわよ。アドレス佐伯君のパソコンに転送しておくわね」 「あっマジすか。助かります!ありがとうございました!」 そう言い残し俺はダッシュで自分のデスクへと戻った そして遠目から佳純の動向を監視し続ける 少しの間彩ちゃんと話をした佳純は自分のデスクへと戻っていった 早く気付け馬鹿、鍵がねえ事によ! ソワソワして待つ俺の気持ちも知らずに呑気に仕事してやがる だがお前は昼になったら財布を取るために鍵を開けねえといけないはずだ まあ鍵開けられないんだけどねー!ククク! ご飯も食べられないなんて可哀想だな!まっ、自業自得なんだけどな! お!どうやら気付いたみたいだな… 引き出しに手を掛け、鍵を開けようとしているのか佳純はゴソゴソと小物入れの中を探っている そこにない事に気が付き、今度はデスク周りを調べ始めた ハハハハ!あるわけねえのによー!馬鹿が そして暫くその場で考え諦めたのか、立ち上がり課長の元へと歩いていった 話を聞いている課長の顔が徐々に険しくなっていく 何を言ってるかはわからねえけど、恐らく怒られてんだろうなあ 馬鹿だなぁ。ちゃんと管理しないからそうなるんだよ クク、謝ってる謝ってる… いい気味だぜ 俺をコケにしたらそうなるんだよバーカ!! …さっ、スッキリした事だしこの鍵は残業後に誰もいなくなったタイミングであいつのデスクのどっかに置いとくか 心の膿がとれたらなんかいつも以上に仕事に集中出来る気がするぜ
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