排除

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今、菜穂って言ったよな…? 仲違いしたのかこいつら 「菜穂ちゃんって言ったよね今?親友なのに何で?」 「ーー親友だからですよ」 「え?」 「…とにかく」 「よろしくお願いしますよ、佐伯さん」 妖艶に、指先が俺の胸元を伝う 上目遣いで俺を見上げながら体を近付けてくる佳純 意外とこいつ睫毛なげえんだな… やべえ、この感じなんかいいかも… … なんつーか…可愛いじゃねえかよ… 「協力はする!でもその代わりにさ、俺にも見返りをくれないか?」 「…何ですか」 「俺の彼女になってよ。俺マジだからさ!」 「…いいですよ。でも結果を見てからです」 う、嘘だろ! 言ってみるもんだぜ!! 「任せといてよ。菜穂ちゃんをめちゃくちゃ苦しめればいいんだろ?」 …菜穂の奴は正直前から気に食わなかったんだ それを大義名分で虐められる上に、佳純が俺と付き合ってくれるなんて一石二鳥だぜ 月島さんには悪いけど、佳純は俺がいただきますよ あ…そういや 「でも…もし月島さんが菜穂ちゃんを守ったらどうするつもり?」 「…その時はその時です。でも月島さんは分かっていますよ。私が菜穂に抱いてる感情を」 「…そうなの?」 「黙って見ていてほしいって伝えましたから。どうするかは月島さん次第ですが、守るならそういう選択をしたと思うだけです」 …月島さんを敵に回すのはおっかねえけど、俺は佳純に命令されてるだけだと言えば大丈夫か 月島さんも佳純には弱い筈だからな 意外と俺ら完璧なタッグなんじゃね? 「んじゃ取引成立って事でよろしく!ちゃんと約束は守ってくれよ」 「わかってますよ。上手くやってくださいね」
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