215人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしても月島さん、その感じでニーチェとか知ってるんですね」
「その感じってなんだよ」
「意外と物知りですよね。やっぱり色々本とか読んでるんですか?」
「…ああ、まあな。勉強はするに越したことねえだろ」
「私は全然勉強出来ないんで憧れます」
「はは、知ってる。もっと勉強しろよ」
「余計なお世話です」
「冗談だっての」
月島さんと話していると、少し自分がいい人に戻れたように感じる
きっとそれはこの人が、私の中の張り詰めた空気を和ませてくれてるからだろう
今だけは…憎しみも忘れよう…
また日が明ければ…私は闇に塗れてしまうだろうから
ーーー
「…楽しそうですね。彩さん」
笑顔で食事を摂る私に、前に座る瀧坂がそう言ってきた
「あら、顔にでてるかしら?」
「はい。なんかあったんですか?」
「ちょっと面白い展開になって来たのよ」
「また例の男の事でですか?」
「まあそうと言えばそうなんだけど、また別の話ね。会社内での話よ」
「…花井佳純ですか」
「…フフッ、あの女…思った以上に陰湿だわ。鳥谷翔介もあんな女と付き合ってたなんて神経疑うわよ」
「彩さんよりですか?」
「殴るわよ」
「失礼」
「自分の親友を陥れようなんて私でもなかなか出来ないわよ。ましてやそれを人に協力させるなんて…まともじゃないわあの女」
「さっきから悪口言ってる割に嬉しそうなのは何でなんです?」
「あの女がどこまで堕ちていくのか見ものでしょ」
「…彩さんより陰湿な人いないでしょ」
「さ、明日から忙しくなるわよ!今日は早く帰って寝ないと!」
「無視すか」
フフ…私があの女の提案に乗ったのは
風見菜穂のあの綺麗な顔がぐちゃぐちゃにされる様を一番近くで見られるからよ
精々張り切ってめちゃくちゃにしなさいよ
花井佳純ーーーー
最初のコメントを投稿しよう!