猛襲

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「あの人結構…気難しい人だって聞いたことあるから」 だけどそれを私の口から言いたくない そもそも当の本人が、あの人私のストーカーだからやめたほうがいいよ!なんて言えるわけないじゃない 「菜穂さんって鳥谷さんと知り合いなの?」 「えっ!まあ知ってる事は知ってるけど…何で?」 「だって…菜穂さんみたいな聡明な方が、又聞きした話だけで他人を貶めるわけがないと思ったの」 「それこそ自身の経験談かなとも思えたのだけど」 「…買い被りすぎだよ。私はそんな立派な人間じゃないよ。他人に流されやすいし、すぐに話を鵜呑みにするからさ」 「そうなのかしら」 「そ、そうだよ」 春宮さんの射殺す様な視線を受けながら、辿々しく私は返した 「ふふ…でも私、気難しい方も嫌いじゃないわ。そういう人ほど愛情も深いと聞いた事があるし」 どこでよ…そんなの聞いたことないけど? 「応援はしてくれないけど、反対もしないのよね?」 「まあ私に反対する権利なんてないしね…」 「それじゃ頑張ってもいいってことよね!」 「…う、うん?」 私が返事に迷っていると、春宮さんは手を合わせてご馳走様でしたと小さく呟いた 「時間も余りないので行きましょ!お昼からもお互い頑張りましょう!」 そのまま立ち上がり、伝票を手にしてレジへと向かって行く 「あ、私の分いくら?」 「今日は私に払わせて!次菜穂さんにお願いしてもいい?」 「わかった…ありがとう。次払うね」 私の言葉に、彼女は可愛らしいウインクで答えた ーーー春宮さんみたいないい人が鳥谷さんに傷付けられるのは許せない だからその為にも 私はもう一度彼と きちんと話し合わなくちゃいけないんだ 佳純の言っていた事が本当に全て真実かどうかを 彼自身から聞き出なければならない
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