降雪

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ーーーー 憂鬱な朝 カーテンの隙間から差し込む光を見て、私の気持ちは更に沈んだ またあの悪意まみれの場所へと行かなければいけない… もう何も喉を通らない 考えれば考える程、心は泥濘に嵌まっていく …一体誰が私を陥れようとしていたのか 心当たりがありすぎてわからなかった 一番怪しいのは田宮さん達だ けど違うーーー 胸の中にあるざわつきが告げている 犯人は恐らく ーーー………佳純だ ずっと考えてた 多分今会社で起こっている出来事は全て 佳純が仕組んだことなんじゃないかと 私の悪評を流し、田宮さんや吉村さんや岡本さんの心証を悪くして 私を攻撃させるように仕向けている… 多分佐伯さんも佳純が利用してるんだろう そして月島さんまで嵌めようとしたのは 月島さんが私の味方だと言ってくれたから? そんなの…もう人間のする事じゃない もし本当にそうなんだとしたら 佳純は悪魔だ… …ーーー何で変わってしまったの?? あんなに優しくて穏やかだった佳純がどうして… かつての日々 優しく微笑む佳純の顔が 今はもうモヤがかかって思い出せない ハァ… 仕事、辞めようかな…… 私が辞めれば済む話なんだ やりがいのある仕事ではあったけど こんな辛い思いを引き摺ってまで続けようとは思わない それに私がいると、今度は春宮さんにまで被害が及ぶ可能性がある それだけは避けないと ーー明日、辞表を提出しよう それで全部終わる 佳純との友情も、確執も 全部ーー終わるーーー
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