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「花井さん知ってる?」
またもや岡本さんが嬉しそうに口を開く
この人ずっと喋ってるな
「はい?」
「佐伯君が抜けた穴埋めに、明日から新しい人が来るんですって」
「え?この時期に新入社員ですか?」
「違うわよー。開発部からの応援らしいの。しかもかなり優秀な子みたいよお」
この人はどこからそんな情報を入手してくるんだろう
「でも企画部とはまた勝手が違いますよね?」
「そうだけど、商品に対する理解度が私達とは段違いだもの。慣れたらここでもトップに立ちそうよお。それこそ月島君に追いついたりして」
月島さんみたいになるには相当頭が良くないとなれないと思うけど
まあ私には関係の無い話だ
「花井。今いいか?」
「え?あ、はい。大丈夫です」
突然、課長に呼び出され私はデスクまで赴いた
まさか…昨日のこと何か言われるんじゃ…
「先程白桜の情報が入ってきたんだが」
……何だ。白桜のことか
どうでもいいです…すみませんが
「凄くいい売れ行きらしいぞ!」
「そうなんですか!良かったです!」
どうでも
「二人で頑張った甲斐があったな」
「ありがとうございます」
「それでなんだが」
まだ何かあるのか…
「春宮さんも年明けにはここを離れるだろ?忘年会も兼ねての送別会を開こうと思ってるんだが」
うわっ!とてつもなく嫌だ…
「その幹事を花井にお願いしたいいんだが…やっぱり一番仲が良いし長く一緒にいたから好みも分かるだろうし、頼まれてくれないか?」
これ断っても良いのかな
正直あの人の送別会なんて時間の無駄なんだけど
「まあ、分かりました」
相手が清彩蔵だから丁重にもてなさないといけませんもんね
「すまないがよろしく頼む!」
はあ、めんどくさいな
それにしても…
あの人ももう今月で終わりか
結局商品も無事に売り出せて、何の波も立たずに済んだな
はじめは何か目的があって来たんだと思ってたけど
いや、実際あったんだろうけど
標的が菜穂になったから向こうも心変わりしたのかも知れない
まあ別に私も今はあの人なんかどうだっていいし波風立たないならそれが一番だな
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