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「春宮さん。ちょっといいですか?」
「何でしょう?」
「なんか春宮さんの送別会するらしいんですよ。行きますか?」
「そんな気遣いしていただけるなんて…嬉しいです。是非お願いします」
行くのか…
「どこがいいですか?」
「それはもう花井さんにお任せします。花井さんのセンスは確かですから」
「…ありがとうございます。じゃあ適当に探しときますね」
「はい。…思えばもうじきお別れですね、寂しいです」
「正直私、春宮さんがここに来た時はめちゃくちゃ嫌いでしたが…今ではそこまで嫌いじゃないです」
これは半分本当で半分嘘だ
この人の仕事への姿勢や知識は結構見直した所がある
ただお高くとまっているだけのお嬢様だと思っていたけど、そうじゃなかったことに対して少なからず自分より上だと認識させられた
性格は相変わらずウザイし嫌いだけど
「私はより一層花井さんが好きになりましたよ?これからも懇意にさせていただければと思っています」
「まあ、考えておきます」
「ふふ、冷たいですね」
まあ駒としてこれからも有用させてもらいますので、よろしく
「それと訊きたかったのですが」
「何ですか?」
「…佐伯さんは、やはり月島さんが?」
やっぱり勘付いてたのか。侮れない女だ…
「恐らくそうでしょうね」
「以前から只者では無いと思ってましたが…花井さん、あまりあの方を見くびらない方がいいと思いますよ」
「大丈夫です。月島さんは優しいので」
なんて言っても私は月島さんの特別だからね
「ならいいですが…どんな人間にも闇はありますからね」
一番真っ黒なのは絶対貴方でしょうけど
「まあそうですね。気をつけますよ」
「送別会、楽しみにしておきます」
まあでも確かに…昼間は月島さんに背筋を凍らされたな
怒らせるとやばいっていうのはわかった
これからは月島さんに手を出すのは控えることにしよう…
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