降雪

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誰かがレジの前に立ちそう言った 「おい!順番抜かすなよ!」 顔を上げると、私と同じくらいの歳の男性がサラリーマンと向かい合っていた 「一言いいですか?」 「…何だお前は!!」 「文句ばかり言う暇があるんなら少しは拾うの手伝ってやればいいんじゃないですか?そもそも、時間がないならこんなに人の多い店に来ずに自販機で買えばいいでしょう。」 「なんだとお!?」 「いい大人が自分のことばかり考えて…恥ずかしくないんですか?」 「若造が…偉そうに喋るな!」 憤ったサラリーマンが男性の胸ぐらに掴みかかる 「いてててててて!!!離せ!!」 しかし男性はその手を捻りあげ男の背に回した 「朝からやめましょうよ。みっともない。どれだけ恥の上塗りすれば気が済むんです?」 ぱっと手を離すと、サラリーマンは顔を真っ赤にしながら逃げるように店を出て行く 去り際に何か叫んでたけど男性は無視だった そして店員さんからコーヒーを受け取り、私の元に歩み寄りそれを手渡してくれた 「まだ落ちてる?小銭」 「…いえ!もう大丈夫です。本当にありがとうございました!これ受け取ってください!細かいの無いのでお釣りはいりません!」 私は男性に500円玉を差し出した だけど男性は受け取らなかった 「朝から嫌な事あったんです、いい事のひとつくらいあってもいいでしょう」 男性はそう言って静かに微笑むと、店を出て行った あんないい人いるんだ… …ていうか、何も買わないで出て行っちゃったけど、良かったのかな それに 今の人…どこかで見たような気がする 気のせいかな
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