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「フフ…具体的な話はまたにしましょう」
「ありがとう春宮さん。少し元気が出た気がする」
「良かった。ではまたお昼に」
……やってやる
私は鞄に忍ばせていた退職願を破り捨てた
もう逃げない!絶対に一矢報いてやるーーー
「風見…」
「月島さん!おはようございます」
後ろから声を掛けてきた月島さんは、少し申し訳なさそうな顔をしていた
「大丈夫だったか?…悪かったな。辛い目に遭わせて」
「何で月島さんが謝るんですか。それに月島さんも被害者じゃないですか…私のせいで…本当にすみません」
「昨日、佐伯が自分がやったんだと自白してきてな…あいつはクビになった。何であんな真似したんだかな…馬鹿な奴だぜ」
「……本当に佐伯さんなんですかね」
その言葉に月島さんの表情が強張った
多分月島さんは
私が気付いてることに気付いてる
「本人から言ってきたからな。疑いようがねえな」
だけどそれに気付かないふりをするということは
月島さんは…
「月島さん。私もう逃げませんよ。戦いますから」
「……そうか。俺も出来る限りの協力はするぜ」
出来る限りという文字が
全てを物語っている
月島さんは佳純に対して非情になれない
だってこの人は、佳純のことが好きだから…
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