燃ゆる悪

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となるともう横峯さんも駄目っぽいか まあいいけどね。土壇場で裏切るような人だし 誰か他の人を味方につけるべきか でもあの雪村がいつ邪魔立てしてくるか分からないし… 当面は岡本さんとかに協力してもらって遠回しに噂を流していくしかないかな… 「おはようございます」 エレベーターから降り、オフィスに辿り着いた私は先に来ていた人達に挨拶した え…? 何?この空気…… だけど返ってきたのは挨拶ではなく、冷ややかな視線だけだった な、何で皆こんな顔してんの? 「どうしたんですか…?」 私は近くにいた岡本さんに尋ねる 「…花井さん。貴方…私にも嘘ついてたのね」 「嘘…?何言ってるんですか?私嘘なんて…」 「貴方は風見さんに好きな人を奪られたって言ってたけど、あれ嘘だったみたいね」 ……何、急に… 「嘘じゃありませんよ!だって私は実際に好きな人を菜穂に奪られたんですよ!」 「聞けば風見さんはそんな事してないらしいじゃない。嫌がらせしてたのは風見さんじゃなく花井さんだったのね!皆を味方につける為にそんな事をしたんでしょ!?」 「…そ、それ一体誰に訊いたんですか?」 「私ですよ」 「…ーー春宮さん」 私の方へと歩いてきた春宮さんがそう言い放った 「どういう事…?」 まさかこの女…私を裏切るつもりじゃ… 「全部正直に、ありのままを話しただけですよ。私は花井さんの好きな方ともお知り合いですしね」 「何言ってるんですか?春宮さんは何も知らないじゃないですか。出鱈目言わないで下さいよ」 「それなら風見さんと共に鳥谷さんの元へ向かいましょうか?全てを話してもよろしいですね?貴方がどんな風な真似をしていたか。幸い、ボイスレコーダーもあるようですし」 こいつ… 「……やっぱり昨日、あんたも裏切ってたんだ。最低」 「少し好き放題やりすぎましたね。もう貴方の味方は一人もいないのでは?」 「……!」 冷ややかな視線が集まる つい昨日までと、全く違う空気 あんなに優しくしてくれた岡本さんでさえ、掌を返したように冷たい表情をしている まるでオセロの盤面みたいに 白が全て…黒に変わってゆくーーー
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