燃ゆる悪

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昼になり、月島さんが私の元へ歩み寄り言った 「さて、行くか」 見計ったように菜穂と雪村さんも寄ってきた 「行くってどこに?」 「どこって…飯だよ」 「ここでいいじゃないですか。ご飯なんて行きたくないです」 「こっちだって行きたくないけどな」 「まあまあ、こんなとこで話せねえだろ。とりあえず出ようぜ!」 月島さんにやや強引に外に連れ出され、渋々ついて行く 「…好きですね月島さん」 辿り着いたのはお馴染みの蕎麦屋【然】だった こんな奴と顔突き合わしてご飯食べるとか嫌なんだけど 美味しい物も美味しく感じられなくなるし せめて斜向かいに座ろ… 「雪村は初めてだよな?」 「まあそうですね」 「ここの蕎麦マジで美味えからビビるぜ」 「そうですか…」 「月島さん、呑気にご飯食べにきたわけじゃないんですけど」 私は語気を強めて言ってやった 「だって喋って飯食う時間無くなったら昼から持たねえじゃねえか。ついでだよついで!」 「じゃあ私はざるそばで」 「僕はおろしそばにします」 「俺はざる大盛りといなりにするわ、花井は?」 無言で視線が私に集まる …これが同調圧力か 「…ざるそばで」 「OK。すみません!注文いいですか!」 …圧に負けてしまった 「そろそろ本題に入りましょうか」 注文が終わり店員さんが行った後、雪村がそう切り出した 「…朝言ってた事だろ」 「そうです。どうして貴方は彼女が風見さんに嫌がらせをしてるのを知りながら放置していたのか、それを聞きたいんです」 雪村の質問に、月島さんはお茶を一口啜った後深呼吸して答える
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