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「もしもし」 コール音もしないうちに鳥谷さんは電話に出た 「あ、急にごめん。実は、権藤が捕まったらしい」 「知ってます。今日警察署に行ったので」 「花井さんも行ったの?」 「はい。菜穂について一緒に」 「そうか…花井さんが一緒だったなら安心だね。いや、朝はああ言ったが…権藤が何か漏らしたかと思ってね…もしそうだとしたら、風見が花井さんに何か言うだろうなと思って確認の電話をしたんだ」 私がいたら安心って…信頼してくれてるんだ… 「大丈夫ですよ。彼はずっと黙ってましたし、警察は空き巣の線が濃厚だと言ってました」 「そうか…良かった。話は変わるんだけど今どこにいるの?」 「あ、今菜穂の家に遊びに来てます」 「あ…そうなんだ…今から食事でもどうかなと思ったんだけど、それなら仕方ないね」 ーー……え!? 「また今度誘うね」 ちょ、ちょっと… 切らないで… 「じゃあまた」 …嫌だ! 「待ってください!!」 「え、…あ、ぁあ」 思わず叫んでしまった私に、鳥谷さんは驚いた声色で答えた 「ちょうど今帰ろうとしてたんですよ!」 ああ…まただ また私は… 「そうなの?晩御飯は?」 「一人で何食べて帰ろうかなぁって悩んでたところなんです!もし良ければ、食事ご一緒させてください!」 菜穂…ピザはまた今度にして…ごめん… 「わかった。じゃあまたテグロフの前あたりで待ち合わせしよう。時間は8時でいいかな?」 「大丈夫です!すぐに行きます!」 私は間髪入れずに答えた 電話を切ると、颯爽と部屋に戻り菜穂に謝った 「あ、ピザ頼んだよ。おばさんどしたの」 「ごめん菜穂…ちょっとお母さんが高熱みたいで…今日誰も看病する人がいないの。お父さん出張で遠方だし、私が看てあげないと」 「え!?ほんとに!?早く帰りなよ!!私の事なんて気にしないでさ!」 「ごめん菜穂…ピザ楽しみにしてたんだけど…頼んじゃったよね?」 「大丈夫。余った分は朝にでも食べるから!それより早く行きな!ね!」 「…うん。ありがとう…ほんとごめんね」 「私こそ今日はありがとう。佳純がいてくれて心強かったよ」 「今日は無理だけどまた泊まりにくるからね!」 「うん!また来てね!」
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