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学生時代から…
佳純は自分の世界をはっきりと確立している
だから意思を曲げないし、誰かに曲げられたりもしない
誰かに話を合わせたり、繕ったりもしない
その芯の強さに、私は憧れている
だから佳純は嘘もつかなかった
たとえ自分の立場が悪くなりそうな時でも、正直に生きていく佳純を私は傍でずっと見てきた
そんな佳純だからこそ…
私はこんなにもショックを受けているんだと思う…
やっぱり…年月が経つと、人は変わるのかな
大人になったってことなのかな…
今すぐにでも、佳純に電話したい
そして本当の話を聞きたい
だけどそれは…私の自己満足でしかない
佳純には佳純の何かしらの理由があったのかもしれない
私との約束より優先すべき何かが、あったのかもしれない
そしてそれを問い詰めるのが…
怖い……ーー
私の中の佳純が、消えてしまいそうでーーー
ああ…私
まだ全然強くなってないな…
あの日から…全然進歩してないや…
賑わう街の中で、私は独りだ
世界から隔離されたみたいな感覚
遠ざかる景色に目を伏せながら、私はトボトボと…家路を辿ったーーー
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