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ーーー 「花井。今日風見休みかぁ」 「あ、はい。そうらしいです」 「らしいですって、連絡無かったのか?いつもみたいに」 「…はい。今日は何も連絡が無くて…一応朝連絡は入れたんですが、通じなくて」 「なんかあったんかな…まあ明日には出てくるだろ。夕方にでもまた連絡してやれよ」 「…はい」 そう言い放ち、月島さんは持ち場へと戻っていった …菜穂が私に連絡無しで仕事を休むなんて初めてだな 昨日何かあったのかな… 今日の帰り…家に寄ってみようかな 「あ、乃木下さんだ」 「やっぱりカッコいいよね…」 前のデスクの子達がそんな会話をしている ふと視線の先に目をやると、営業部で人気のあるらしい乃木下さんがうちの課長と話をしていた 「乃木下さんて結婚してないみたいだけど、彼女もいないのかな」 「どうだろ…モテそうだけどね」 「何?あんた狙ってんの?」 「えーちょっといいなぁって感じだよ!」 「私は古場さんのがタイプだけどねぇ」 「あ、古場さんて言えばこないだ…菜穂に告白したらしいよ。菜穂はフったみたいだけどね」 「えー!いいなぁ…まあ菜穂なら仕方ないか。あーあ…顔交換してくれないかな」 …確かに、乃木下さんも古場さんもカッコいいよね おまけに仕事もバリバリみたいだし… でも、やっぱり… 私はこっそり携帯を開いて、写真を見る 愛しい彼の姿がそこには映っていた …翔介さんには、敵わないよ… 早く会いたいな… そんなことを思っている瞬間、私の携帯が震えた 見ると、神がかったタイミングでメッセージが入ってきた 「今日帰りご飯行く?」 …私は有頂天になりそうな自分を抑えながら、返事をした 「行きます!」 …菜穂はもし明日来なければ家に行くことにしよう。もしかしたらそっとしておいて欲しいかもしれないし… すぐに次の返事がきた 「じゃあ終わったらテグロフで合流ね」 一気に仕事のモチベーションが上がった気がした
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