愛憎

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ーーー ーーー翌日 「いらっしゃい」 「こんばんは…お邪魔します」 私は仕事が終わり次第またすぐに翔介さんの家に来てしまった 誘われてすぐは流石に図々し過ぎたかな でも 「ちょうど今、昨日出たばかりの新作DVD借りてきたんだけど一緒に観る?」 「あ!それ観たかったやつ!観る!」 この甘い蜜のような時間に 誘われずにはいられない… 「お茶入れるから座ってて。ご飯は食べた?」 「実は…まだなの…」 ご飯なんかよりも早く顔が見たかったから… 「仕事終わりだからお腹空いてるでしょ。パスタくらいなら作れるけど」 「えっ!?いいの!?」 私の目は今間違いなく輝いているんだろうな… 「味の保証はしないよ」 「期待してます」 そう言うと彼はキッチンに立ち料理を始めた 「そういえば佳純は嫌いな食べ物ある?」 「私は…納豆やオクラみたいなネバネバ系は…ちょっと…」 「はは、ネバネバ系がダメなんだ。了解」 「……翔介さんは何が嫌い?」 「んー、嫌いなものは特にないかな。好きなものは…秋刀魚かな」 「秋刀魚って…サンマ!?」 意外…てっきりフレンチやイタリアンばっかり食べてるのかと思った… 「特にワタが好きかな」 「私あれちょっと苦手かも…」 「嫌いな人多いよね。僕も初めは嫌いだったけど、食べ続けてるうちにあの苦味が癖になったんだ」 「へー…変わるものなんだね…」 「好き嫌いなんていつ変わるかわからないよね」 …食べ物の話だよね?? …翔介さんの気持ちもそんな風に変わるといいなぁ…ーーー 「お待たせ」 香しい匂いと共に綺麗な器に盛られたパスタが運ばれてきた 「明太子クリームパスタなんだけど、いけるかな?」 「凄く好き!美味しそう…」 「どうぞ」 「いただきます!」 彼に見守られながら、私はパスタを口に運ぶ …!! お、美味しい…私の作る料理とは雲泥の差だ… それにしても 料理まで出来るなんて…ほんと非の打ち所がないなぁ 「美味しすぎるよ!お店のパスタみたい!ほんとに!」 「大袈裟だね…ありがとう」 「お世辞じゃないよ!衝撃受けたもん!翔介さん凄すぎるよ」 「まあパスタくらいしか得意料理ないんだけどね」 「十分だよ…!」 私は恥ずかしげも無く、あっという間に全部平らげてしまった
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