夜鷹の蕎麦屋

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月がまるい。 もうすぐ十五夜か・・・・ と、群青の空を見上げて、サヨは腰を浮かせた。 さっきから、首の後ろでゼエゼエと臭い息を吐きながら、サヨの柔らかい尻に、その男は己の股間を打ちつけている。 「はっ、はぁ、おサヨッ」 サヨの尻が月明かりに照らされて、激しく揺れた。 男はグッタリと力尽き、サヨの首に額をあてがおうとするが、それを避けるようにサヨはその場にしゃがみ込み、呉座の上でひっくり返った草履を元に戻して履いた。 「あんがと、だんなさん。またよろしく頼みます」 サヨはそう言って、乱れた呉座を器用に丸めた。 男は懐から銭を出し、サヨに握らせて言った。 「これは駄賃だ。蕎麦でも食いなぁ」 「まぁ!」 サヨは少し大袈裟に喜んで見せた。
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