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しとしとと続く雨音に身を寄せながらデスクで一人、資料に目を通していると、エミリオが帰ってきた。 「チーフ、現場から数キロ行った先のバーで、被害者が目撃されていました。ビール三杯以上は飲んでいたそうです」 ベンジャミンが頷いた時、反対側からウォルターが走ってきた。大きく振り上げる手には車に残っていたケータイが握られていた。 「こっちも断片的ですが、解析できました」 彼と科学チームは、被害者の行動を呼び起こすことに成功した。ケータイには一緒に飲んでいたらしい友人との写真や、ブログの履歴が残っていた。 「写真から時間も特定できます。エミリオの証言と一致するでしょう」
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