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十歳以上も年下の部下たちに気を遣われ、ベンジャミンはふっと笑みを漏らした。 情けないと思う半面、頼りになる仲間たちだと誇りにも思う。 「悪いな。じゃあ任せる」 「行ってらっしゃい」 ベンジャミンは手を上げて部屋を飛び出した。 外へ出ると雨は止んでいた。曇天の間から眩しい日差しが差し込んでいる。 腕時計を一瞥する。 タイムリミットまであと十分。 踏み込んだ足は水溜りに映る曇り空を打ち砕いた。
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