ざわざわ -本編-

反省

あの運動場を目指し歩きだすが、喉の乾きを覚えスポーツドリンクを買い飲む。

かなりの距離を無意識に歩いていた事に改めて驚く。運動場に着くも長谷川さんの姿は見当たらない…。

あれからどの位時間が経過しているのか？

携帯電話を取り出し画面を見ると、何故か電源が切れていた。起動すると長谷川さんからの着信が何回も入っている。

履歴から電話すると直ぐに応答があり「今何処に居ますか？大丈夫ですか？」と慌てながら聞いて来る。

「すみません、気が付いたら晴海埠頭にいて、今は運動場まで戻って来ました」と答え、合流場所の指示を仰ぐ。

「私は月島駅近くに居るので、清澄通り方面に向かって歩いて来てください」と言われる。

合流してあの時の状況を伺うと、私があれに支配され長谷川さんに足払いを掛け、倒れた拍子に背中を強く打ち付け気を失ってしまったとの事…。

あの時、私が焦れたのが原因で長谷川さんが念じるのを一時止め、その隙を突いて狙われたのが申し訳なく思えてならない。

「あの時は申し訳ございませんでした」と改めて謝罪をする。
「いやいや、事前に説明しなかった私が悪い」と言って貰えたが…。

本当にごめんなさい。