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調査
ニュースで溺死事件を知った長谷川さんは、その川に訪れてみた。
晴海通りから西仲通りへ向かう途中にある西仲橋で起きた飛び込み。
遺体が発見された小舟係留場には黄色いテープが張り巡らされていた。
冥福を祈り手を合わせ集中するも、不穏な感じはしない。もしかすると、祭と飲酒で陽気になった若者達のバカ騒ぎだけが原因だったのかも知れない。
晴海通りに戻り朝潮運河方面に歩み、黎明橋近くに差し掛かると軽快なエンジン音が鮮明に聞こえて来る。
音のする方に向かうと、月島橋から朝潮運河に繋がる支流で中学生位の子供達数人でラジコンボートを走らせている。
しばらく様子を見てから声を掛ける。
「かなりスピードが速いようだけど、このボートなんて言うのかな?」、すると「これハイドロ艇で、スピードが上がると浮き上がり3点のみ水面に着け疾走するボートです」と教えて貰う。
エンジンはスーパータイガー19型と言う海外製で、朝刊の配達をして貯めたお金を皆で出し合い始めたもので、ラジコンボートが停止してしまった時取りに行けるようゴムボートまで用意している。
「もうすぐ多摩川で周回競技があって、それに出場するので練習している」と、説明を加えてくれた。
そこで「君たち晴海中学に通っている?」と聞くと、皆揃って頷く。
「お父さんかお母さんでも構わないから、晴海中学になる前の三中に通っていた知り合いの人居ないかな?」と改めて訪ねると、一人の子のお父さんが三中卒業生と判明する。
「三中について知りたい事があるので、お父さんに話が聞けるよう伝えて欲しい」と頼むと、今夜お父さんに聞いてくれるとの事で、連絡先と名前をメモし手渡した。
よろしく頼み帰路に着く。連絡があれば有り難いのだが…。
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