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「もうすぐ陽が沈みましてよ、魔王さま」
ゼフィーアの声が、地下の広間で静かに響く。
「月が闇と交わって天を支配し、地上はあなた方魔神の世界となる。何も怖れるものはありません。あなたの体には力がみなぎり、闇はますますあなたの力を増幅させるでしょう」
横たわったナイジェルは、答えない。
眠っているのか、もう既に目が覚めているのか。
ナイジェルは、固く瞼を閉ざしたままだった。
「水の魔王シルヴェリスさま。お目覚めになられましたら、わたくしに口づけを」
ゼフィーアは立ち上がり、ナイジェルの顔を覗き込んだ。
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