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『木曜日の話は藤沢先輩から聞いたから。やっぱり菅沼は敵認定、もう絶対まどかに近づかせないから!』
真由ちゃんからのメッセージだ。
その後には穏やかでない絵柄のスタンプが何個も続いていて、真由ちゃんの怒りがひしひしと伝わってくる。
さて、これにどう返事をしていいのかわからない。ありがとう、というのも何だかおかしい気もするし。でも、怒ってくれていることについては、やっぱり「ありがとう」なんだと思う。
そして、藤沢先輩はやはり私を心配していた。
『田中と話をつけた。木曜日は田中が当番に入ることになった。平井は何も心配しなくていいから』
菅沼さんじゃなくなったのはホッとする。でも、結局田中先輩にお鉢が回ってきてしまったのには、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。まぁ、最初は田中先輩が自分で入るつもりだったとは言っていたのだけれど。
やがて考えることに疲れ、私がベッドに倒れこむのと同時に、電話が鳴る。相手を確認すると真由ちゃんだ。私は急いで電話に出た。
「真由ちゃん」
『まどか? 大丈夫? どうしようかなって思ったんだけど、声が聞きたかったから』
真由ちゃんの声を聞いて、本当にありがたいなと思った。心配してもらえるのも嬉しいし、体調がどうなのか気遣ってもらえることも嬉しい。そして、真由ちゃん自身の声が聞けたことに、これほど安心するとは思わなかった。
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