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「ありがとう、もう大丈夫。明日は学校に行くから」
『それならよかった。まどかって普段から元気だし、熱出すとか尋常じゃないと思って』
「私だって熱くらい出します!」
そう言うと、電話の向こうから真由ちゃんの笑い声が聞こえた。それにもホッとする。いつも通りの日常がそこにあるからだろう。
『まどか、木曜日のことなんだけど』
「うん」
真由ちゃんとしては、気になって仕方ないだろう。私が逆だとしてもそうだ。真由ちゃんはどこまで知っているんだろう?
「話は先輩から?」
『うん。木曜日の夜に連絡があった。まどかのことすごく心配してて、私にも気をつけてやってほしいって』
やっぱり。たぶん、いつも以上に先輩は心配しただろう。送ってもらうことも突っぱねてしまったし、あの時はとにかく混乱していたし。
かといって、今は落ち着いたかというと、そうでもない。菅沼さんのことを思い出す度に、悔しくなるし、泣きたくなる。しばらくはまともに顔なんて見れないと思う。
『なんか……修羅場だったみたいね』
「修羅場って」
『菅沼の奴、調子乗ったんでしょ? まどかが嫌がってるのにくっついて』
「……うん」
その先は聞いたんだろうか? 私は勇気を出して真由ちゃんに聞いてみた。
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