241人が本棚に入れています
本棚に追加
「先輩、他に何か言ってた?」
『……え? もしかして他にもあんの!? 』
「いや、えっと」
『嫌がるまどかを抱えてって部分は聞いてるけど、他に何かやったの、あいつ!? 』
あぁ、そこまでは言ってなかったか……。そうだよね、例え見たとしても、先輩はそこまで言ったりしない。
今更ながら気付いたけれど、もう遅い。ここまでくれば、真由ちゃんに話さない訳にはいかない。
私は仕方なく、真由ちゃんに全てを話した。
『あいつ……コロス!』
「真由ちゃん、そんな物騒な!」
『はぁ? ふざけんなっつーのよ! あいつ……絶対許さない!! 無理やりとか、クズよ、クズッ!!』
真由ちゃんが怒り狂っている。私がそれに圧倒されていると、今度は打って変わって労わるような口調になった。
『まどか、そんなの気にしちゃダメ。わかってると思うけど、それでも言わせてもらう。気にしなくていいし、すぐに忘れること!』
「うん……」
一人で抱えていた時よりも、こうやって誰かに話してそう言ってもらった方が、自然と忘れられる気がした。
ヤバイよ、真由ちゃん、泣きそうだよ。
最初のコメントを投稿しよう!