幸せのカタチ

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「藍李さんの旦那さんもすごいイケメンだし、芸能人でもないのにイケメンってそこかしらに転がってるものなんだね……」  独り言のように栞が呟くと、芽衣はプッと吹き出す。 「普通は転がってないよ! まぁ、栞ちゃんがそう言うのもわかるけど、普通は転がってないから!」 「だって、隼人さんでしょ、岳さんもイケメンだし、須王さんもかなりのものだよ?」 「一人抜かしてるけど、それはあえて?」  チラリと見ると、芽衣がニヤニヤとしている。栞は肩を竦め、期待に沿う答えを言った。 「そして、慎ちゃんね」 「そうそう、忘れちゃダメ! でも、ほんと真崎さんもかっこいいよねぇ。眼鏡が知的。冷静沈着、頭脳明晰、いかにもやり手って感じ。あれは会社でモテるよ、絶対」 「……だよねぇ」  ハンドルを握りながら、フゥと溜息をつく。真崎に直接尋ねたことはなかったが、会社では人当たりもいいようだし、芽衣の言うように、仕事ができるという話も藍李から聞いている。 「心配?」  面白がってそう尋ねる芽衣に、栞は小さく頭を振り、笑みを浮かべた。 「心配じゃないって言えば嘘になるけど、でも大丈夫」 「ほんと?」  信号が赤になり、栞はブレーキを踏む。そして、後部座席の芽衣を振り返った。
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