幸せのカタチ

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「あ、ホテル見えた!」 「はーい、到着」  栞は会場となっているホテルの前に車を停め、先に芽衣を降ろす。そして、駐車場へ向かった。  手際よく駐車し、車内に忘れ物等がないかを確認した後、ホテルの正面玄関へ急ぐ。すると──。 「お疲れ様―、栞ちゃん!」  岳が笑って手を振っている。そしてその隣には、仕事用の顔をした真崎が立っていた。 「お疲れ様です。今日は桐島さんたちも……?」 「うん。いつもは地方が多いんだけど今日は都内だし、これまでちゃんと見たことなかったから、隼人君の仕事ぶりを見ておこうかなと思って。それに、芽衣ちゃんと栞ちゃんも来るしね! だから渋る真崎も連れてきたよ!」 「渋ってません」  すぐさま岳にツッコむ真崎に、栞と芽衣は顔を見合わせて笑う。 「桐島さんと真崎さんも来てくれたんだから、役者は揃いましたね! これは絶対に記事になりますよ」  芽衣がニヤリと笑うと、岳と真崎が不思議そうな顔をする。芽衣が何をやろうとしているのかがすでにわかっている栞だけ、困ったような顔で苦笑した。 「なになに? 芽衣ちゃん、何かするの?」 「内緒です!」  何とか聞き出そうと、岳は芽衣の後を追いかける。その後を、栞と真崎は追うように歩き始めた。
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