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芽衣は天真爛漫な性格で、多少天然も入っている。テレビでも自分のキャラを作ることなく自然で、何にでも一生懸命取り組む姿勢が、男女問わず幅広い年齢層に受けている。
女優としても少しずつ芽が出てきていて、最近ではキーとなる役を演じることも多くなった。
「詳細は栞のメールに送ってもらうようにしてるから、後で確認しておきなさい。そして、早く芽衣に知らせてあげなさい。喜ぶわ」
「はいっ!」
栞は一礼して、社長室を出る。デスクに戻るまでも気持ちが高揚し、思わずスキップなどしたくなる。
自分の育てた女優に大きな仕事のオファーが来る、それは栞の目標の一つだった。それが叶うのだから、嬉しいことこの上ない。
自分のデスクにあるノートパソコンでメールを確認すると、制作会社から詳細が届いていた。栞はそれをプリントアウトし、ひととおり目を通す。
「うわ……ほんとに『KIRISHIMA』のCMだ……」
夢ではない。栞は資料を見つめながら、うっとりと吐息を漏らした。
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