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「本気で嬉しい」
これまでの自分たちの努力が報われた気がする。
途中でマネージャーに転身した栞は、最初のうちは舐められることが多かった。
それなりに顔が売れていたのでコネは容易く作れたが、仕事に繋げることは決して容易ではなかった。
セクハラまがいの言葉を投げつけられることも多々あった。その度に悔しい思いをし、歯を食いしばって耐えてきた。
芽衣だって、ひよっこマネージャーが担当で、色々思うことはあっただろう。しかし彼女は栞に対してそういった不満をぶつけることはなかった。逆に、芽衣に励まされることもあったほどだ。
栞と芽衣は戦友のように支え合い、これまで頑張ってきた。
それがやっと、実を結んだのだ。もちろん、これがゴールではないけれど──。
「そうだ、芽衣に連絡しなくちゃ」
栞は携帯を取り出し、メッセージの画面を開く。そして、CMの仕事が決まった旨を書き込み、送信した。
そして、栞がしばらく別の仕事をしていると、携帯がブルブルと震える。確認すると、芽衣からだった。
「さすがにすぐに返事してきたか」
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