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六時限の空き教室
第一校舎の三階の端から二つ隣の空き教室。今は第二、第三校舎での授業が普通になっているので、ここはすっかり学生からは旧校舎扱いになっている。それでも、一階は事務室、二階は職員室なので取り壊すわけにもいかず、ずっと残されているのだ。
そんな校舎の三階は、他の校舎に比べ職員室があるおかげでほとんど人が寄り付かなくなっている。他の校舎の空き教室の方が教師に見つかる可能性が高い。でも、そんなことは誰にも教えないけど。
空き教室と化した空間でもぞもぞと動く影があった。空き教室ではあるが、清掃はされているようで埃は溜まっていない。そんな床に敷かれた敷布団の中で一人の少年が寝ていた。
扉を開けただけでは、使われていない机や椅子、物たちで敷布団の存在には気付かない。ここは少年にとっての休憩場だった。誰にも邪魔されない自分だけの楽園。
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