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「てか、お前はどこから来たの?」
「さっきまでは、ずっと冬の国ですね。目の色が片方ずつ違う人に会いました」
「なんだっけ、それ。なんとかアイだよな」
「僕はそういう言い方は知りませんけど、すごかったですよ。僕のことをなんでもお見通しみたいな感じでした」
「お前の事を!?」
どこの人かは知らないが、こんな得体の知れない子供のことをお見通しとは純粋にすごいと思う。
思わず鉛筆の持つ手を止め、子供を驚いて見た少年に子供はケラケラと笑う。そこまで驚くことかと言外に言われている気がした。
「あと、いつもなんで途中で来るの? もうすぐで授業が終わるくらいでさ」
「その時間だからですよ」
「……三時とかじゃないと、来れないとか?」
「ピンポンピンポン、正解です! 僕は三時にしか来れないんですね。深夜三時も来れますけど、貴方寝てるでしょう?」
「いや、なんで俺のとこ来るんだよ。普通に深夜三時に起きてる人のとこ行けばいいじゃん」
少年が鉛筆を走らせながら答えると子供からにこやかな雰囲気が消えた。何かいけないことでも口走ったかとおそるおそる子供を見上げると、さきほどの感じた空気が気のせいだったかのように元のように笑っていた。
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