六時限の空き教室

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 三日前。突如として少年の前に現れた謎の子供。ここは高校なので、もちろん生徒でもなければ、転校生でもない。どこをどう見ても義務教育を卒業した年齢には見えない。誰かのきょうだいなのかと思ったが連日ここに来るくらいだ。下には職員室がある。わざわざここにはこれない。  この教室の幽霊的な何かかと思ったが、少年は長い間ここの教室を利用しているがそういう類のものが今になって現れる理由もわからないし、そもそもここにそういう噂はない。この階が頻繁に使われることがないだけで、この校舎自体は毎日使われているのだから。  大体少年にとってはこの子供がどういう存在であろうと関係はないのだ。ただ、睡眠を妨害してくるからとてつもなく苛つく存在であるだけで。 「あ、教室いくんですか」 「ああ。どうせ、ホームルーム始まるし」 「そうですか」  この子供は少年の睡眠を妨害するだけして、ついてくるとかそういうことはしない。だから、この子供が他の人にも見えるものなのかはわからない。あんだけ、話しかけてくるからどこにでもついてくるのかと思っていたが、それは見当違いだったようだ。それで有り難いのだが。 「授業はサボって、ホームルームは行くとか新手のツンデレですか!? ツンツンなんですかー?」  とか、空き教室を出るときに言われたふざけた戯言は頭にきたが、子供相手にわざわざムキになるのもなんか負けた気になるので無視した。こういうのは反応するから、面白がられるのだ。
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