六時限の空き教室

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「おっはよーございます」 「………………」 「おや、挨拶は大事ですよー? さあ、リピートアフタミー! おはよーございます!」 「煩い、ここから一刻も早く立ち去れ、てか失せろ」 「うわぁ、英語苦手ですか。下手すれば小学生でもわかる英文ですよ。大丈夫です?」  思い切り少年の言葉を無視した子供の反応に少年はイライラが募る。ただでさえ、無理に起こされているのにそこに頭に響く甲高い声と神経を逆なでされるような内容にイラつきが止まらない。頭痛がヒドイ。  昨日と同じようにソイツはこの教室にいた。自分だけの居場所を踏みいじられているようで、気分がよくない。 「俺を馬鹿にするとか百年早いわ。お前こそ、日本語わかってる? 理解したら、そうしてくれない?」 「理解してて、あえて残ってるんですよー。全く失せろとか、随分さびしい事言ってくれますよね」 「俺は一人がいいの。お前みたいに寂しくないから」 「僕はさびしいのでここにいますね」  敬語を使っているくせに少年のことを全く尊敬していないところや、内容が年相応ではないところが嫌に神経を逆なでる。むしろ、そういうのを狙っているのか。だとしたら、すごいと思う。ただ、確実に敵は作ってるぞ。
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