六時限の空き教室

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 子供の方を見ると誰も使っていない机に腰掛け、ぷらんぷらんと足を振っている。行動自体はただの子供だ。  これでもう五日目だ。そろそろ、面倒なのでコイツの事を聞いてやろうか。幽霊なら早く成仏してくれ。 「お前は寂しくなくなったら、ここに来なくなるか?」 「どうでしょう。僕がさびしいとは関係ないですからね」 「はぁ? ふざけんなよ」 「全く短気ですね。短気だとすぐに死んでしまいますよ」  こちとら、お前に起こされて不機嫌MAXなんだよ。今将来の寿命とかどうでもいいから、お前がどうやったらいなくなるのか、はやく教えろ。  少年の思いとは裏腹に子供はこれだから、というように手を広げ溜息をつきながら首を振った。 「逆に聞きますけど、貴方はどうして六限だけ休んでるんです?」 「は? ……それは」 「しかも、その後のホームルームには必ず出席する。意味がわかりません。普通六限サボるなら、そのまま家にでも帰ってしまうでしょう。なんで、わざわざ」  子供はもっともなことを言っている。五日目にもなると、そういう疑問がわき上がるのは普通だ。いや、もしかしたらもっと前には疑問に思っていたかもしれない。  ただ、なぜまだ子供であるソイツがここまでのことを理解しているのかが不可思議だ。少年は目の前に居座る子供が不気味に思えてきてさえした。
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