六時限の空き教室

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 同じ人間とはとてもじゃないが思えなかった。同じ地球上で生まれ育ったとは。それが、少年の知らないどんな場所であったとしても。それはこの地球にあるとは思えなかった。 「あ、でも、宇宙人とは会ったことありますね」 「は、マジ? 話せるの?」 「はい。でも、友好的な方たちだけではなく、好戦的な方たちもいましたから、少し危なかったんですけどね」 「宇宙人ってホントにいるんだ」 「いますよー。ただ、貴方達では見つけられないかもしれませんけど」 「普通無理だって。やっぱ、お前普通じゃねえじゃん」 「そんなことありませんよ。そうですね。普通のことだといえば、宇宙では人間とも会いましたよ」  子供のありえない話でも聞いている分にはとても興味深いし、嘘を吐いているようにはとてもじゃないが思えなかった。言葉遣いは大人じみているが内容は実は子供が言いそうなことばかりだ。少年は子どもを見ては紙を見るという行動を繰り返している。 「それって宇宙飛行士か?」 「そういうんですか。ああ、確かに彼らもそう言ってましたね」 「なんか話したの?」 「はい。『宇宙には夢がつまっている』と言われました。彼はその夢を取りに来たそうです」 「その夢を地球に持ち帰って来るのか。ロマンだな」  確かそんなことを口癖にしている宇宙飛行士もいた気がする。確か日本人でもういい歳くらいではなかったか。たまにテレビでその存在を確認することがあるくらいだ。  ただでさえ会えないそんなスターと宇宙で会ったと目の前の子供は言う。それも、その宇宙飛行士が宇宙へといた年齢と今の年齢を考えると、到底ありえない話のように思える。
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